日本の格安SIM比較、料金と通信速度で選ぶ

日本の格安SIMは「MNOオンライン専用プラン」「サブブランド」「MVNO」の3種に分かれ、料金と通信速度のトレードオフが明確です。昼帯でも速度を落としたくない場合はahamo・LINEMO・povo・UQモバイルの4択、とにかく月額を下げたい場合は日本通信SIMやIIJmioが候補になります。本記事では主要12社の月額料金・昼帯実測速度・向いているユーザー像を比較し、乗り換え前の選択を一本に絞れる判断軸を提供します。

格安SIMの3種類を先に理解する

格安SIMと呼ばれるサービスには、回線の使い方が根本的に異なる3つのカテゴリーがあり、カテゴリーが通信速度の安定性をほぼ決定します。料金だけで選ぶ前に、自分が選ぼうとしているのがどのカテゴリーかを把握してください。

MNOオンライン専用プラン

MNOオンライン専用プランは、大手キャリアが自社回線をそのまま使って提供するオンライン申し込み限定の廉価プランです。ドコモ・au・ソフトバンクの物理インフラを直接使うため、通信速度は大手キャリアとほぼ同等です。ahamo(ドコモ)・povo(au)・LINEMO(ソフトバンク)の3ブランドが代表例で、昼帯でも速度が落ちにくい点が最大の強みです。

サブブランド

サブブランドは大手キャリアが出資・運営する別ブランドで、MNOに近い回線品質を保ちながら月額料金を下げた設計です。UQモバイル(au系)とワイモバイル(ソフトバンク系)が国内の2大サブブランドです。MVNOより速く、MNOより安い価格帯に収まり、実店舗でのサポートを受けられる点も特徴です。

MVNO(仮想移動体通信事業者)

MVNOはドコモ・au・ソフトバンク・楽天の回線の一部帯域を借り受けてサービスを提供する事業者で、帯域が限られるため混雑時間帯に速度が落ちやすい傾向があります。IIJmio・mineo(マイネオ)・日本通信SIM・HISモバイル・NUROモバイルが代表例です。月額料金は3カテゴリーの中で最安ですが、昼12時〜13時と夕方17時〜19時の速度低下は覚悟が必要です。

カテゴリー代表ブランド昼帯速度月額の目安店舗サポート
MNOオンライン専用ahamo・povo・LINEMO速い(大手同等)2,700〜2,970円(20〜30GB)基本なし
サブブランドUQモバイル・ワイモバイル速い(MNO近い)2,365〜4,015円あり(実店舗対応)
MVNOIIJmio・mineo・日本通信SIM昼帯に低下しやすい290〜2,000円(低容量〜20GB)基本なし

主要12社の料金と通信速度を一覧比較

以下の比較表は各社公式料金(税込)と昼帯実測速度の傾向をまとめたものです。通信速度は計測環境・地域・時間帯によって変動するため、傾向値としてご参照ください。

ブランド回線主なプラン(税込)昼帯速度の傾向5分通話カテゴリー
ahamoドコモ30GB:2,970円 / 110GB:4,950円速い(大手同等)無料込みMNOオンライン
povo2.0au基本0円+トッピング制(30GB:2,700円)速い(大手同等)別途オプションMNOオンライン
LINEMOソフトバンク3GBまで:990円 / 30GB:2,970円速い(大手同等)別途オプションMNOオンライン
楽天モバイル楽天(独自)無制限:3,278円 / 3GB以下:1,078円エリア内は速い・屋内やビル内は注意Rakuten Linkアプリで無料MNO
UQモバイルau4GB:2,365円 / 15GB:3,465円 / 無制限:3,278円速い(サブブランド)別途オプションサブブランド
ワイモバイルソフトバンク4GB:2,365円 / 20GB:4,015円速い(サブブランド)別途オプションサブブランド
IIJmioドコモ・au2GB:850円 / 5GB:990円 / 20GB:1,800円昼帯に低下(1〜5Mbps台)別途オプションMVNO
mineo(マイネオ)ドコモ・au・SB1GB:550円 / 5GB:990円 / 20GB:2,178円au回線は昼も比較的速い別途オプションMVNO
日本通信SIMドコモ1GB:290円 / 10GB:1,390円 / 無制限:2,178円昼帯に1Mbps台に低下70分:570円オプションMVNO
HISモバイルドコモ・au0.1GB:280円 / 3GB:770円 / 7GB:990円昼帯に低下別途オプションMVNO
NUROモバイルドコモ・au・SB0.5GB:627円 / 3GB:792円 / Neo: 2GB:858円昼帯に低下(回線による)別途オプションMVNO
OCNモバイルONEドコモ1GB:550円 / 3GB:770円昼帯に低下別途オプションMVNO

通信速度で格安SIMを選ぶポイント

格安SIMの通信速度で最も重要な指標は、昼12時〜13時の混雑時間帯でどれだけ速度を維持できるかです。朝・夜の速度はMNO・サブブランド・MVNOいずれも概ね20〜100Mbpsが出ますが、昼帯では大きな差が生まれます。

昼帯速度の現実:カテゴリー別の実態

MNOオンライン専用・サブブランド(昼帯20〜100Mbps維持)

ahamo・povo・LINEMO・UQモバイル・ワイモバイルは、昼帯でも20Mbps以上を維持するケースが多く、動画視聴やテレビ会議でもストレスを感じにくい水準です。これらは大手キャリアの設備を優先的に利用できる立場にあるため、帯域不足による速度低下が起きにくい構造です。

MVNO(昼帯1〜5Mbps台に低下する傾向)

IIJmio・mineo・日本通信SIMなどのMVNOは、昼帯に帯域が混雑し、1〜5Mbps台まで速度が落ちることが多いです。1Mbpsでも、テキスト主体のSNSやLINEテキスト送受信・地図表示は動作します。ただし、動画の高画質再生・ビデオ通話・大容量ファイルのダウンロードは昼帯に遅延やバッファリングが発生します。速度の実測値は計測環境によって変動するため、移転先の回線を契約前に試用期間で確認する方法も有効です。

楽天モバイル(エリア依存が大きい)

楽天モバイルは自社の第4のキャリア回線を持つMNOですが、屋内・地下・人口密集エリアでのつながりやすさはドコモ・au・ソフトバンクに劣るケースがあります。プラチナバンドの整備が進み、屋内での改善が報告されていますが、地方山間部や地下鉄では圏外になるポイントが残ります。一方で、エリア内では無制限3,278円という料金の魅力は強く、楽天ポイントの積極的な利用者には相性が良いプランです。

速度に必要なMbpsの目安

利用シーン必要な速度の目安1Mbps(MVNO昼帯)でOKか
LINEテキスト・メール0.1Mbps以上
地図・ナビ(Google Maps)0.5Mbps以上○(若干遅延あり)
YouTube(標準画質480p)1Mbps以上△(バッファリングあり)
YouTube(HD720p)2.5Mbps以上×
ビデオ通話(Zoom標準)3Mbps以上×
オンラインゲーム(低遅延)10Mbps以上・低ping値×
テザリングでPC作業5〜20Mbps以上×

料金で格安SIMを選ぶポイント

格安SIMの料金比較は「月額料金」単体でなく、通話オプション・事務手数料・解約金・5G対応の4項目を合算したトータルコストで判断してください。

月額料金が最安のプランランキング

  • 月290円(日本通信SIM シンプル290):1GBのドコモ回線。ほぼWi-Fi環境で使う人向け
  • 月280円(HISモバイル):100MBの超小容量プラン。サブ端末の待機用に最適
  • 月550円(IIJmio / mineo 1GB):緊急用・サブ回線として最小コストで維持したい場合に有力
  • 月990円(LINEMO 3GB以下 / IIJmio 5GB):SNSとマップ中心の軽いスマホ利用ユーザー向け
  • 月1,078円(楽天モバイル 3GB以下):楽天エリア内での軽い利用に限定すれば最安クラス

コスパ最強プランの選び方

月10〜20GB使う標準的なユーザー

月10〜20GBの標準的なスマホ利用者には、IIJmio(15GB:1,800円)と日本通信SIM(みんなのプラン 10GB:1,390円)がコストパフォーマンスで際立ちます。ただし、昼帯の速度低下を許容できる場合に限ります。昼帯でも速度が落ちては困る場合は、ahamo(30GB:2,970円)がドコモ回線品質のまま5分かけ放題込みで使える最有力候補です。

月30GB以上使うヘビーユーザー

月30GB以上のデータを消費するユーザーには、楽天モバイル(無制限:3,278円)が料金面で最も有利です。楽天エリア内でのカバレッジが確保できている場合は、光回線を解約して楽天モバイルを自宅メイン回線にする節約術も現実的な選択になっています。ahamo大盛り(110GB:4,950円)は、ドコモ回線の安定性が必要でかつ大容量を使いたい場合の代替です。

使う量が毎月変わる不定期ユーザー

データ利用量が月によって大きく変動するユーザーにはpovo2.0が最適解です。基本料金0円で必要なときだけデータトッピングを購入する仕組みのため、使わない月のコストをゼロに近づけられます。ただし、180日間に一度も有料トッピングを購入しないと利用停止または契約解除の対象になるため注意が必要です。

用途・ライフスタイル別おすすめ格安SIM

通勤・外出先でデータをよく使うビジネスパーソン

外出先での昼帯通信が多いビジネスパーソンにはahamoが第一候補です。月2,970円で30GB・5分通話込み・海外91カ国でのデータ通信も追加料金なし(30GBまで)という構成は、出張が多い方にとっても維持費が読みやすい設計です。テザリングは無料で利用でき、ドコモショップでの有料対面サポート(3,300円)も受けられます。

自宅Wi-Fi中心で外出は少ないシニア・ライトユーザー

外出時のスマホ利用が少なく、主に電話とLINEが用途の中心であれば、日本通信SIM(月290円〜1,390円)が圧倒的にコスト効率が高い選択です。ドコモ回線を使うため電波エリアは広く、昼帯速度の低下は散歩先でのマップ使用程度なら許容範囲です。ただし、店舗サポートがなくオンライン手続きになる点を家族が補助できる環境が望ましいです。

楽天ポイントを毎月使う楽天経済圏ユーザー

楽天市場・楽天カードを日常的に使う楽天経済圏ユーザーには、楽天モバイル(無制限:3,278円)が最有力です。楽天モバイル契約でSPU(スーパーポイントアッププログラム)が最大プラス4倍になるため、年間数万円分のポイント還元が通信コストを実質的に下げます。自宅エリアの楽天回線品質を事前に公式エリアマップで確認することが必須条件です。

2台持ち・サブ回線を最安で維持したいガジェット好き

サブ回線を最小コストで維持したい場合はpovo2.0(基本料0円)またはHISモバイル(月280円〜)が最適です。povo2.0は必要なときだけデータを追加でき、180日ルールさえ守れば月ゼロ円に近い維持が可能です。IIJmioはeSIMでの申し込みに対応しており、物理SIMスロットを使わずにサブ回線を追加できる点でデュアルSIM運用に向いています。

家族でまとめてコストを下げたい世帯

家族割を活用してコストを下げたい場合はUQモバイルとワイモバイルが有力で、家族割適用後の月額は1回線あたり1,000〜2,000円台になります。mineoは「家族みんなでおトク割」があり、MVNO価格で家族割を適用できる珍しい選択肢です。3回線以上をまとめて乗り換える場合、初期事務手数料が無料になるキャンペーンを実施している時期を狙うと初期コストを抑えられます。

格安SIMに乗り換える前に確認する5つの事項

1. 使用中のスマートフォンのSIMロック解除

大手キャリアで購入したスマートフォンは、他社SIMを使う前にSIMロック解除が必要です。総務省の指導により、現在はほとんどのキャリアがオンラインで無料のSIMロック解除を提供しています。iPhone 15以降やAndroid最新モデルはSIMフリー販売が一般化しており、購入時点でロック解除済みの端末も増えています。

2. 電話番号を引き継ぐMNPの手順

MNP(番号ポータビリティ)を使えば、現在の電話番号をそのまま格安SIMに移せます。手順は「現在の契約先でMNP予約番号を取得(有効期限15日間)→格安SIM事業者の申し込みページでMNP転入を選択→新SIM受け取り後に開通手続き」の3ステップです。MNP手続き中は数時間〜最長1日程度、電話が使えない場合があるため平日の日中に実施してください。

3. 5G対応の確認

5G対応の格安SIMと5G非対応端末を組み合わせても5G通信はできないため、端末と回線の両方の5G対応を確認してください。ahamo・povo・LINEMO・UQモバイル・ワイモバイル・楽天モバイル・IIJmio(ドコモ・au回線)・mineo(ドコモ・au回線)は5G対応エリアで5G通信が可能です。ただし5Gの実用エリアは都市部中心であり、郊外や地方では4G LTEが主体となります。

4. eSIMと物理SIMの選択

eSIM対応端末であれば、SIMカードの郵送を待たずに即日開通できるeSIMを選ぶとすぐに使い始められます。IIJmio・povo・LINEMO・ahamo・楽天モバイルはeSIMに対応しています。デュアルSIM対応端末(物理SIM+eSIM)を活用すれば、メイン回線とサブ回線を1台で持てるため、2台持ちのコストを下げられます。

5. 事務手数料と解約金の確認

MNOオンライン専用プランと主要MVNOの多くは、事務手数料無料・解約金ゼロを標準としており、乗り換えのハードルは以前より大幅に下がっています。ただし端末購入と回線契約をセットにした割引プログラムを選んだ場合、一定期間内の解約で違約金が発生するケースがあるため、契約書の条件を確認してください。

格安SIMの昼帯速度を左右する3つの要因

格安SIMで昼帯の速度が下がる原因は主に3つあり、この構造を理解すると自分に合った回線を選びやすくなります。

  • 帯域の確保量:MVNOがキャリアから借りる帯域幅が狭いほど、同時接続ユーザーが集中する昼帯に速度が下がる
  • 契約回線の種類:同じMVNOでもドコモ回線・au回線・ソフトバンク回線で混雑の時間帯と程度が異なる
  • ユーザー数と帯域のバランス:利用者が増加したMVNOは新たに帯域を増強しないと速度が低下し続ける傾向がある

よくある質問(FAQ)

格安SIMは昼帯に本当に遅くなりますか?

MVNOカテゴリーの格安SIMは昼12時〜13時に1〜5Mbps台まで速度が低下するケースが多いです。日本通信SIMは昼帯1Mbps台になることが実測で報告されています。一方、ahamo・povo・LINEMO・UQモバイル・ワイモバイルは昼帯でも20〜100Mbps程度を維持するため、昼に速度が落ちては困る場合はMNOオンライン専用プランまたはサブブランドを選んでください。

格安SIMで通話はできますか?かけ放題はありますか?

格安SIMでも通話は可能ですが、かけ放題の条件が各社で異なります。ahamoは5分以内の国内通話が月額料金に無料で含まれます。楽天モバイルは専用アプリ「Rakuten Link」経由で国内通話が無制限無料です。IIJmio・mineo・HISモバイルなどMVNOはかけ放題オプション(月額550〜1,400円前後)を追加することで対応できます。通話が多い方はかけ放題オプション込みの月額で比較してください。

格安SIMへの乗り換えで電話番号は変わりますか?

MNP(番号ポータビリティ)を使えば現在の電話番号をそのまま引き継げます。手続きは現在の契約先でMNP予約番号を取得し、乗り換え先に提出するだけです。MNP予約番号の有効期限は15日間で、期限内に乗り換え先への申し込みを完了する必要があります。MNP手数料は現在ほとんどのキャリアで無料になっています。

格安SIMと大手キャリアの通信速度の差はどのくらいですか?

昼帯以外の時間帯(朝・夜)であれば、MNOオンライン専用プランと大手キャリアの速度差はほぼありません。ただしMVNOは昼帯に1〜10Mbps台まで低下し、大手キャリアの昼帯50〜150Mbpsとは大きな差が生じます。サブブランド(UQモバイル・ワイモバイル)は大手キャリアに近い速度を1日を通じて維持できます。

格安SIMは外国人や外国からの乗り換えにも対応していますか?

格安SIMの多くは在留カード・パスポートによる本人確認で外国籍の方も申し込みできます。ただし申し込みページが日本語のみの事業者が多く、IIJmio・楽天モバイルなどは英語でのサポート対応も充実しています。海外ローミングを頻繁に使う方はahamo(91カ国・30GBまで無料)が圧倒的に有利です。

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